【資産として金とプラチナはどう違うか】
▼通貨としての顔を持っているかどうか。
金には、通貨として、あるいは通貨の裏付けとして用いられて来た長い歴史がありますがプラチナは、そうした歴史を持ちません。また世界中の中央銀行においても、準備資産として金は保有していますが、プラチナは保有していません。資産として金とプラチナを見た場合、この点が決定的に異なっています。
値動きに違いがあるかどうか。
年間の供給量で見ると、プラチナは金の1/20程度しかありません。それだけプラチナは金よりも稀少価値があるとも言えますが、いかんせんマーケットが小さすぎるゆえに、ちょっとした資金の動きで価格が乱高下する傾向があります。
▼ヘッジ資産として有用かどうか。
プラチナは宝飾素材としても用いられていますが、実需の最大項目は工業用です。自動車の排気ガス浄化装置の触媒などに使われています。したがって、世界経済が好調で株式市場が堅調に推移している環境で値を上げる傾向があります。それに対して金は、宝飾素材が需要の最大項目である一方、世界経済が不安定になって株式市場が下落する環境では「普遍的な通貨」としての側面が注目されて値を上げる傾向があります。中長期的に見れば、プラチナはペーパー資産と相関関係にあり、金はペーパー資産と逆相関関係にあります。以上、資産として見た場合、プラチナはハイリスク・ハイリターンの投機向き、金は長期資産向きということになる。
【日本での金、プラチナ価格はどのように決まるか】
金プラチナ価格がどのようにして決まるかということについて、計算式で説明しましょう。海外相場は、貴金属特有のトロイオンス(1トロイオンス=約31.1035グラム)という重量単位で、米ドル価格で取引されています。国内小売価格を算出する場合、まず海外相場の価格を1グラムあたりの円建てに替えます。この価格に取扱会社の諸費用を加算して消費税を上乗せし算出しています。
・ ここでのポイントは、海外相場と、為替相場の両方の影響を受けるということです。
・ 諸費用は取扱会社の経費(製錬コスト・輸送費他、利益を含む)であり、需給関係により変動します。
〔計算例〕
海外相場が1,200ドルで為替が120円の場合。
※oz→g ドル→円 の順で計算。
1,200ドル/OZ ÷ 31.1035 × 120円/ドル + 諸費用) × 1.08 ≒ 5,000円/g