ついに大手金融機関が大幅な人員削減に動き出す。みずほフィナンシャルグループ(FG)は11月13日、傘下のみずほ銀行の支店など国内拠点の2割に当たる約100店舗を削減、2026年度末までにグループの従業員を1万9000人減らす方針を打ち出した。また、三菱UFJフィナンシャル・グループも2023年度末までに9500人分の業務量を削減、三井住友フィナンシャルグループも2019年度末までに4000人分の業務量を削減する、としている。…続きを読む日経ビジネス
みずほFGの人員削減は11月20日に発表された構造改革の一環だ。そこでは従業員のみならず店舗も大幅に減らすことを計画している。根底にあるのは、FinTech(フィンテック)の普及などによって「10年後の金融の姿がまったく変わる」(佐藤康博社長)という危機感だ。
みずほFGの現在の従業員数はパートを含めて7万9000人だ。そこから1万9000人を削減するということは、ほぼ4分の1の従業員を削減することになる。同社は、人工知能(AI)などを使って組織のスリム化を進める計画だ。
三菱UFJFGもデジタル技術の活用などで23年度までに9500人分の業務量を削減する方針を打ち出している。同グループは定年退職と採用抑制による自然減だけで23年度までに6000人減らす計画だが、業務削減量からすれば、それでもまだ3500人も余剰になる計算だ。果たしていつまで自然減だけといっていられるのか。
近い将来、AI等の技術によって現在の仕事の大半が奪われるといわれているが、今回の一連の大手銀行の動きは、その近い将来がすでに現在進行形で起こっていることを物語っている。…続きを読むBJ
もはや「地方」銀行とは名ばかりになりつつある--。地方で集めた資金を地元に還流せずに近隣大都市の企業などに貸し付けるケースが地銀で増えており、専門家からはこんな声も聞かれる。日銀によるマイナス金利政策に加え、高齢化や人口減少などの構造問題を抱える地銀の経営は混迷を深めている。再編機運も高まる中で、求められるのは地域活性化への貢献だ。
S&Pグローバル・レーティングスの吉澤亮二主席アナリストによれば、過去10年間の地銀の貸出増加額はマーケット縮小が続く地方に比べて大都市圏(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡)が2.8倍に達した。地元に十分な貸し出し需要がないため大都市シフトが起きているのだという。
金融庁が6月に集計した地域銀行106行の2017年3月期決算概要は、当期純利益が前期比15%減少した。融資利息や金融商品販売手数料など本業のもうけを示す実質業務純益は同19%減と、その前の期の同1.8%減から大幅に悪化した。SMBC日興証券によると、上場地銀82行の18年3月期純利益予想は前期比17%減と、厳しい経営環境は続く見通しだ。…続きを読むBLOOMBERG